「かさ地蔵」の童話はご存知ですか?雪の降る夜、お地蔵達が寒かろうと、おじいさんが売り物の傘だけでなく、最後には自分のかぶっていた手拭まで、お地蔵さんにかぶせてあげたところ、後ほどお地蔵さんが恩返しにきてくれるっていう、ホンワカしたお話ですよね。
この写真のお地蔵様のほこらは、幸田露伴の小説「五重塔」で有名な
日暮里の天王寺の正面入口の前にひっそりとたたずんでいます。
よく見ると左の方に傘が沢山見えるでしょう。谷中の墓地にお墓参りにいらしゃった方が急な雨の時に誰でも使っていいのです。
「かさ地蔵」ならぬ「お地蔵さんの傘」ですね。
本当は、初めに誰かがにわか雨で買った安物の傘が雨が上がって邪魔になったので、たまたま目に付いたお地蔵様の祠に「捨て」ていったのがだんだん貯まったってこうなったの(かも)しれません。いや、たぶんそうでしょう。
そうかもしれませんけど「心優しい人びとが、急な雨で困っている人が誰でも使えるようにお地蔵さまに傘を預かってもらってる」と思った方が気持ちがホンワリしませんか・・・
同じシーンをみても、とらえ方によって「人の勝手さ」でも「人の優しさ」でもどちらにでも感じられますね。
どうせどっちかわからないなら「人の優しさ」の方を感じたほうが楽しく日々を送れて得なような気がするのは私だけでしょうか・・
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